- レポート
- 17.12.16
広島市の中心でコワーキングスペースを4年間運営してきた雑感
コワーキングスペースShakeHandsの代表をしている市川です。こんにちは。
夏休みの宿題を最終日まで溜め込むタイプの私らしく、
16日現在で急いで仕上げているため読みやすさはありません。
よろしければ、お付き合いください。
この記事はコワーキングスペース運営者限定Advent Calendar 2017の16日目として書いています。
15日目の宮城県仙台市青葉区のコワーキングスペースノラヤの宗形さんが書かれた
「来たら笑顔で帰って欲しい」から、バトンを引き継ぎました。
コワーキングスペース運営者限定Advent Calendarへの参加は2度目で、
前回は2013年に「広島市中区紙屋町でコワーキングスペースを始めてから、1か月が経ちました」
という記事を書きました。
開業1ヶ月目とか右も左も分かってない時期ですね。懐かしいです。
あれから4年、あっという間に過ぎ去ったと感じていますが、
現状と雑感についてを書いてみようと思います。
■ShakeHandsの紹介というかおさらい
コワーキングスペースShakeHands(以下ShakeHands)は、
2013年11月に広島市中区紙屋町で開業したコワーキングスペースです。
当初は10時から22時まで営業していましたが、現在は7時から23時まで営業時間を拡大しています。
運営をしている株式会社3COは、
私と、高校の友人である舩場君と、私の母、3人だけの家族経営の小さな小さな会社です。
ShakeHandsは、全席自由席で、電源とWi-Fiとフリードリンクが付いてくる
カフェタイプのコワーキングスペース(そんな表現があるなら)と言えるかもしれません。
開業以来、営業形態に大きな変更はありませんが、状況に合わせて価格を調整したり、
プランを変更したりしています。あと、ビルの経営者が入居してから3度変わりました。
以下、概要です。
名称 コワーキングスペースShakeHands
場所 広島県広島市中区紙屋町1-4-5 ウィニーズ紙屋町3F
電話 082-246-1340
FAX 082-246-1350
mail 196@shakehands.jp
web http://www.shakehands.jp
Facebook https://www.facebook.com/CoworkingShakeHands
営業時間 7時~23時
またShakeHandsに加えて、2015年6月に歩いて3分ほどのビルに会議室と多目的室を用意しました。
会議、面接、勉強会、交流会、ワークショップ、セミナー、教室、様々な用途でご利用いただいています。
名称 ソーシャルスペースmisocia
web https://www.misocia.com/
いまのところ、この2拠点がShakeHandsに関連する全てです。
■ShakeHandsは4年経ってどうなったのか?
コワーキングスペースなんて使う人はいない、儲からない、絶対に潰れるから辞めておけ
そんなことを、起業相談の方に言われつつも、勢いだけで開業してから4年、
全国ではコワーキングスペースの閉業が相次いでおり、新しいスペースもどんどん開業しています。
ShakeHandsはどうなんでしょうか。
・利用者数は4年間で増え続けている
毎年利用者数は増え続けています。それにともなって売上も伸びています。
コワーキングスペースという単語がテレビからも聞こえるようになった昨今、
大企業の参入などが業界の追い風になっているのかもしれません。
まだまだコワーキングスペースの認知度は低いだろうと思いますが、
こういう場所を使おうという人も増えてきたのかな、と思います。
ShakeHandsの場合、学生の方から先輩から教えてもらったという話も聞くので、
利用者からの紹介など、口コミでじわじわと広がっているというのもあるようです。
一方で、カフェやファミリーレストランなど、これまでちょっとした作業や勉強に使われてきた場所が、
長時間の席の利用を断るようになったという影響も、少ないでしょうけれどあるのかもしれません。
仕事や勉強で利用される月会員も25~30契約くらいあり、
卒業していく方も毎月いますが、新しく契約される方も毎月現れる、ということを繰り返しています。
・経営上の数字はまだまだ赤い
主に私の経営判断の誤りが足を引っ張っての赤さですが、
2017年になってようやくコワーキングスペース事業単体で継続可能な数字に近づいてきました。
開業当初は3~5年で継続ラインに乗ればいいなと思っていましたが、実際にそうなっています。
まだまだ、安心できる数字ではありませんが、もうひと頑張りと言ったところです。
・貸切やイベントは減らしている
開業当初、飲食を含むイベント利用はありがたい資金源でした。
しかし、毎日使ってくださる方も増えてきた為、貸会場や貸切規模のイベントは現在中止しています。
ただし、月1回を限度に、自分がやりたいイベントは開催させてもらっています。
例:ライター交流会、間取り図ナイト、ぺちゃくちゃナイト、など
そして、貸切ではない小規模な勉強会や交流会は通常営業のなかで行っていますし、
むしろ、いろいろな方に様々な会を開催してほしいので、
開催に関してのご相談はいつでもお待ちしています。
・運営をしていると広さが欲しくなる
全国的に、2拠点になった施設や、別フロアに増床した施設が増えてきています。
ShakeHandsも別のビルに会議室と多目的室を追加しています。
利用者が増えるにともないイベントの開催が難しくなってくると、新しい場所をつくりたくなります。
現在の会議室と多目的室はShakeHandsと雰囲気がだいぶ違うため、ちょっと当初の目的を果たせていませんが、
広さや部屋数があれば、できることの幅が増えるのは事実でしょうし、スケールメリットも発生すると思います。
・コワーキングスペースをやっていてよかったと思うか
よかったと思います。
こういった場所を運営していることで、様々な世界がひらけますし、
結婚もできましたし(妻とはShakeHandsで出会いました)、日々新しい出会いがありますし、
友人や仲間と呼べるような人とも出会えて、やっていた意味はあったなと感じています。
ここからどこに進むのかはひとつの課題ですし、自分の力不足でやりきれてないことも多々ありますが、
ShakeHandsとともに少しずつ成長しながら、達成をできたら良いのではないかと思っています。
経営は大変ですが、出来得る限り続けていきたいと思う所存です。
・利用者に望むこと
ちゃんとしたオーナーさんがいるコワーキングスペースは、
人をなんらかの形で応援したいと思っている場合が多いので、
自分の夢ややりたい事を実現するため、上手く利用するといいんじゃないかと思います。
■広島市のコワーキング事情
広島市にコワーキングスペースという場所は、現在までにかなり増えました。
2014年に1度目、2017年に2度目の波があったように思います。
それ以外に、有料自習室、シェアオフィス、シェアスペースといった場所も増えました。
いわゆるコワーキングスペースだけの施設よりは、
シェアオフィスにコワーキング機能も持たせた場所が多いようです。
広島にそんなに市場があるのかな? と、正直なところ思うのですが、
その結果が出るのはもう少し先かもしれません。
市場は自分たちで作らなければならないのかもしれませんが。
個人的には、そういった場所が増えることで、
チャレンジしやすい広島市が醸成されていくことは喜ばしいことだと思います。
簡単に広島市の施設をまとめてみました。
2014年頃
・Movin'On(現在は閉店)
・port.inc(http://www.port-inc.jp/)
・SO@R Coworkin(http://soa-r.net/port/coworking.html)
有料自習室
・U-CAL(http://www.u-cal.jp/)
・まち図書カフェ(http://toshocafe.com/)
FABスペース
・Digi Fab Spot(http://fablab.cannet.co.jp/)
シェア縫製工場
・kurisumadefactory(https://www.kurisumade.com/)
小さな縫製工場事業を展開中
2017年頃
・レインボー倉庫広島(https://www.rainbowsoko-hiroshima.com/)
・デジハコ(http://digihaco.jp/)
・いいオフィス広島(https://iioffice.liginc.co.jp/hiroshima/)
・Fabbit広島駅前(http://fabbit.co.jp/locations/hiroshima-ekimae.php)
・Banyan Tree(http://banyan-tree.me/)
作業などには利用できないけれど、コワーキング的な広島県が運営する施設
・イノベーション・ハブ・ひろしまCamps(https://www.camps-hiroshima.jp/)
コワーキングスペースではないけれど、小さな子供を持つお母さんが一息つけるシェアスペース
・polyphony space "on.off”(http://polyphony.space/)
■コワーキングスペースの形は様々である
コワーキングスペースは、電源カフェだったり、シェアオフィスだったり、
誰かのオフィスの一部だったり、営業時間外のバーだったり、ゲストハウスのラウンジだったり、
空きテナントだったり、投資家から投資を受けた人たちの専用オフィスだったり、
誰かの家のリビングだったり、船だったり、公園のベンチだったり、します。
・遊休不動産の有効活用
・なんらかのコミュニティ
・シェアリングエコノミー
・ベンチャー・スタートアップ
・IT人材の多い場所
・フリーランスが使う場所
・コストが安い
など、いろんな文脈でコワーキングスペースは語られますが、
まあ、だいたいどれも間違ってはないのかな、と思います。
誰がどういう思いや背景から運営しているかが全てでしょう。
様々な属性のコワーキングスペースがありますが、勝手なイメージで2箇所を例としてあげてみます。
IT系の方が集ってそう
下北沢オープンソースCafe(http://www.osscafe.net/ja/)
ライター業の方が集ってそう
CONTENTZ(https://contentz.jp/)
下北沢オープンソースCaféはCoder forやCoder Dojoなどの、
日本国内で行われているITの取り組みの歴史からはずせないような場所で、
運営者の河村さんはリブライズという全ての本棚を図書館にするサービスの開発をされています。
CONTENTZはShakeHandsでも開催していただいたライター交流会を主催する、
有限会社ノオトが運営するコワーキングスペースです。
有限会社ノオトは編集プロダクションで、様々なメディアの運営に携わられています。
このように、コワーキングスペースを運営をされている方も、
WEB業界、設計事務所、飲食店経営、多種多様です。
参考までに、設計事務所の方が運営するコワーキングスペースとしては、
京都のおいない烏丸(http://oinai-karasuma.jp/)
姫路のmocco(http://moccomocco.net/)
北九州の秘密基地(https://coworking802.com/)
東京のConnecting The Dots:(https://dots.bz/)
などが挙げられます。
人の数だけのコワーキングスペースがあるので、ぜひ自分に合った場所を探してみてください。
■コワーキングスペースを始めたい人へ
という項目も書こうと思いましたが、日付が変わってしまいそうなので、市川まで個別にご連絡ください。
おつきあいありがとうございました。
明日の17日は、千葉コワーキングスペース201の佐々木さんが記事を書かれます。
コワーキングスペースShakeHands 代表
市川 育夢
https://www.facebook.com/iikumu